こんにちは。看護師の川邉綾香です。
11月1日(金)に北御堂(津村別院)にて開催された、「第2回縁起でもない話をしよう会@大阪」にて講演会を行いました。
「縁起でもない話をしよう会」は、医療や福祉に関わる人と地元の人、お坊さんが参加する、鹿児島発の地域交流イベントです。
「お寺」に集まって、普段はあえては口に出さない「縁起でもない話」を語り合おう、みんなで!と言う主旨の会です。
第1回の「縁起でもない話をしよう会@大阪」では、参加者として大いに楽しませていただきました。
第2回を開催するにあたり、「今回はぜひ!」と立候補させていただき、かわべクリニック 看護師 川邉綾香と医師 川邉正和 が「ACP(アドバンス・ケア・プランニング)」をテーマに話題提供させていただきました。
参加者は本当に多職種で、医師4名、看護師8名、税理士・司法書士・行政書士7名、僧侶6名、その他を含めて総勢57名。
多くの方にご参加いただき、感謝です。
なかなか敷居をまたぐことのない北御堂。
大きな仏壇の前の畳の上でお話させていただき、初めて尽くしの講演会となりました。
テーマは、「人は苦しみを抱えながら穏やかになれるか?」
はじめに、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)って何?を説明しました。
その後、「相手の苦しみをキャッチする、相手の支えをキャッチして強める」を事例やロールプレイを通じて学んでいただきました。
このブログでも、講演内容をご紹介させていただきます。
講演会終了後、参加者のみなさまの感想を拝読いたしましたので、いくつかご紹介させていただきます。
・(これは良いことだと思い込んで)当事者に選ばせない、強制していることは、実は恐ろしいことだと感じた。選べる、選んでもらうことが大切。
・自分の仕事、自分について考えることができた。支えるそして聴く力を身につけたい。医療職、介護職、宗教職といろいろな職種の方と話することができ、考えることが出来た。
・自分の支えについて意外とすぐに思いつかなかった。普段は意識しているようで、していなかったんだと感じた。
・専門的な立場でなくても、誰かの支えになろうとする人こそ、一番支えを必要としているのだということが印象に残った。
・将来の夢について考えさせられた。
・ACPの捉え方が変わった。グループワークでは皆さんの聴く姿勢が素晴らしく、現場に役立てていきたい。
・支えは一つでなくても良い。様々なところに頼り、心のよりどころにすることで良いのだと感じることが出来た。
・選ぶことが出来る自由の大切さを知ることができた。グループワークでのシェアで学びを深めることが出来た。
講演会の後は、本題の「縁起でもない話」のパートです。
テーマは、「何歳まで生きたいか」。
4名ずつグループになり、話し合いを行いました。
川邊院長も、グループワークに参加しました。
グループで盛り上がったのが、「健康寿命について」です。
寿命を延ばすだけでなく、いかに健康に生活できる期間を延ばすか?
「健康に生活できる期間が長いのであれば、できる限り長生きをしたい」との意見が多かったそうです。
*健康寿命とは…「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義しました
アンケート結果から、他のグループでの意見をシェアしたいと思います。
・72歳の方が、120歳まで、出来れば300歳まで生きたいとおっしゃっていたことが印象に残った。年齢に関わらず、大きな目標を持っていると気付かされた。
・死について、自分が死ぬことを笑って話せることは良いと感じた。
・自分の中で死を意識し、生きているのだと感じた。
・自分の死について考えることの出来る時間になった。
・やはり自分自身がまだ死ぬということを考えていないのだと感じた。これを機会にもう少し考えてみたい。
・人の世話になってまで長生きをしたくないと思っていたが、「人の世話になることが悪いこと」でもないのかなと考えられるようになった。
・(何歳まで生きたいかという問いに対して)どこまで自己開示して、話せばよいか分からず、少しだけ苦しかった。
・医療職の方の死生観を聴くことができたのが、一番の印象に残った。
イベント全体に対しては、以下のようなご意見がありました。
・いろいろな方の考え方、生き方の話を聞けて良かった。認知症、老衰、寝たきりが皆の心配している。
・普段、考えないような話をさせていただき、有意義な時間でした。
・普段、考えたことがないことを突然に問われ、答えることが難しかった。こういったことが縁起でもない話に繋がっていくと感じ、今後に活かせそうです。
・楽しく、自分の終活のまとめになりました。
・全体を通して、自分の思い込み、価値観などについて考えさせられた。ACP(アドバンス・ケア・プランニング)について初めて話を聞きました。
今回の講演は、川邉院長が緊急対応のため急遽不在になり、一人で行うことになりました。
不安な気持ちについて、参加者のみなさまに、
「3つの支え」のひとつである「支えとなる関係」が崩れたことによるものだ、とご説明しました。
すると会場の皆さまが、「私を支えてあげる、守ってあげるよ」という雰囲気になったことが、とても嬉しかったです。
また、「カレーうどんが大好きな院長が毎日、夕食にうどん屋さんに連れていこうとするため、私には選ぶことが出来る自由がないので辛い」というくだりにも、大きなうなずきと笑顔がありました(笑)。
今後も、地域全体で在宅医療を支えるネットワーク「東大阪プロジェクト」として、講演会やディスカッションのなる充実をはかっていきます。
また、かわべクリニックではいろいろな研修会を開催しています。
このテーマに関心を寄せる方は、ぜひご参加ください。
【アドバンス・ケア・プランニング(ACP)研修】
日時:2019年12月13日(金)19:00~21:00
タイトル:死を前にした人に あなたは何ができますか?~ACP 決めた内容 誰がする~
場所:ドーンセンター(大阪府立男女共同参画・青少年センター)
定員:50名(大阪社会福祉士限定)
◆ここをクリックしてチラシをご覧ください◆
【東大阪緩和ケア地域連携カンファレンス】
日時:2020年1月30日(木)19:00~20:00
タイトル:苦しみを通して気づく「支え」
場所:市立東大阪医療センター3階 ABC会議室
定員:100名(医療・介護関係者)
詳細は近日中に告知させていただきます。
【第3回縁起でもない話をしよう会@大阪】
日時:2020年2月12日(水)19:00~21:00
場所:北御堂(大阪市中央区本町4-1-3)
定員:100名(どなたさまでも)
◆ここをクリックしてチラシをご覧ください◆
【第19回布施緩和ケア研修会・総会】
日時:2020年3月6日(金)18:30~21:00
場所:イコーラムホール 東大阪市岩田町4-3-22 希来里6階
定員:200名(医療・介護関係者)
◆ここをクリックしてチラシをご覧ください(表面)◆
◆ここをクリックしてチラシをご覧ください(裏面)◆
12月5日(木)18時15分頃から
朝日放送『キャスト』内で「ABC特集」として、第2弾が放送されることになりました。
先日、明日・11月20日(水)と告知させていただきましたが、諸事情により変更となったとのご連絡がありました!
「救急車を呼ばんといて!」の一言が出たことをゴールに、在宅医療の姿勢・大切さが伝わるような内容になっています。
今年の1月から9か月間、継続取材を経て、8月14日に第1弾の放送をしていただきました。今回はその第2弾になります。
視聴可能な方はぜひご覧いただき、ご感想を頂戴できると幸いです。
よろしくお願いいたします!