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出会うことで人が動き出し、共に未来を変える
~穏やかなエンディングをみんなで~

私たちは、このようなクレド(信条・行動指針)を掲げて活動している団体です。

東大阪プロジェクトとは


東大阪プロジェクトがスタートしたのは2019年、地域で暮らす皆様を一緒に支えたいと、多職種の仲間が集い「真の地域包括ケアシステム」を目指しています。

これまでも「人とまちと医療の心地よい関係」をつくり、誰もが安心して自分らしく生ききる社会を実現するべく、さまざまな勉強会や体験型イベントを開催してきました。全国各地から参加できるオンラインイベントには、数百名規模で出席いただくことも珍しくありません。

まもなく団塊の世代が75歳以上となり超高齢社会に突入します。その対応のために構想された「地域包括ケアシステム」は、要介護状態が進行しても、人生の最期まで住み慣れた地域で自分らしい暮らしを送れるようにする仕組みです。

エンド・オブ・ライフと呼ばれる「人生の最終段階」を地域全体でケアするには、医療・介護や介護予防を担う方々の連携が欠かせないのは言うまでもありません。
「東大阪プロジェクト」ではさらに概念を広げて、より良い暮らしのサポートのために活動しています。すなわち医療・介護ケア職に限定せず、一つでも多くの職種が地域の輪に加わって連携する姿を目指しています。

主なメンバーの職種

医療・介護職(医師、看護師、薬剤師、ケアマネージャー…)
司法書士
社会保険労務士(社労士)
税理士
弁護士
葬儀会社
神父、住職
医療機器メーカー、製薬会社、製薬卸
政治家
コンサルタント
アナウンサー
作家
など、さまざまな方が東大阪プロジェクトに賛同し、仲間に加わっています。
いずれもひとりですべてに対応できる万能な職種ではなく、お互いの課題を知り、ともに補い合う仲間です。

専門・得意分野を活かすということ

たとえば司法書士なら、お金、財産や相続に関することが得意分野です。患者さん・利用者さんと特別に親しくならなくても、家族関係や財産について質問すれば答えてもらえます。これは専門家に対して信頼、心理的安全性を感じるからでしょう。

一方、医療・介護職の方々は病気や健康、介護予防についての専門家で、患者さんやご家族が体調の変化や生活習慣で気になることを相談するのは最適な存在です。

地域包括ケアシステムとは

そもそも「地域包括ケアシステム」とは、重度の要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、「住まい」「医療」「介護」「予防」「生活支援」が一体的に提供されるシステムです。

(地域包括ケアシステムの概念図 出典:厚生労働省)

私たちが地域包括ケアシステムの存在を知ったのは「かわべクリニック」を開業した後。大阪赤十字病院に勤務していた頃は、そんな言葉のさえ知りませんでした。
一般の方々のほとんどは、家族やご自身に介護が必要な状態にならなければ知る機会もないはずです。

しかし自分自身や肉親、パートナーが、病気になったり介護が必要な状態となったりする事態は、誰にとっても突然身にふりかかります。
そのとき始めて、右も左も分からずに地域包括ケアシステムの輪の中に組み込まれることになります。

「ケアマネージャーはどのような役割をしているのか?」
「どこまで介護保険を利用できるのか、できないことは何か?」

こうした大切なことが全くわからないのは当たり前です。
しかし「待ったなし」の状況下で病状は変化し、認定調査が始まり、決断を求められるのです。

地域包括ケアシステムが多くの人に知られていないままなのは、「他人事だから」だと言えるのではないでしょうか。
地域包括ケアの輪が小さいままで、医療と介護だけにフォーカスを絞っていては、多くの人に関心が生まれにくいのは想像がつきます。

ではこの「輪」を最大限に広げ、すべての職種の方が輪に加われば、暮らしに必要なあらゆる専門分野をカバーできるかもしれない。
医療・介護職の私たちとよいパートナーシップを築ければ、専門家からの医療・介護への関心も深まり、より良い最期を迎えられるはずです。

すべての職種が加われば、自然にすべての方が地域包括ケアシステムを知ることになるという結論に至りました。
そこで医療と介護だけに限定せず、多職種が関われる真の地域包括ケアシステムを目指すことに決まりました。

これが東大阪プロジェクトの出発点です。
地域の名前を冠しているものの、私たちの目標は全国各地から「地域包括ケアシステム」という言葉がなくなることです。

当たり前になり、もはや目指さなくてよい状態になればいいのです。そのために、自分たちも最期まで住んでいたいと思えるまちを目指します。この取り組みが、各地の皆様の参考になり、一緒に行動する方たちが増えていくことにつながれば、この上なく幸いです。

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