「縁起でもない話をしよう会」とは、医療や福祉に関わる方々と地元の人々が参加する、鹿児島にある妙行寺さんが発案された地域交流イベントです。
普段はあえて口には出さない「縁起でもない話」をみんなで語り合い、これからの人生をいかに生ききるかを考えるきっかけ作りの一つとして、東大阪プロジェクトでも継続的に開催しています。
今回は、臨床心理士、公認心理師の大岡友子さんに「悲嘆(グリーフ)とそのケアについて」と題してお話をいただきました。
・なぜ遺族ケアが必要か
・悲嘆、複雑性悲嘆(遷延性悲嘆症)とそのケア
・社会インフラとしての遺族ケアシステムの構築に向けて
悲嘆はごく自然なことですが、時として悲しみが長引き、複雑性悲嘆(遷延性悲嘆症)の状態となります。大切な人が亡くなったとき、私たちにどのようなことが起こるのか、どのようにして対処するとよいのかを一緒に考えました。
全国各地から68名もの皆さまにご参加いただきました。
本当にありがとうございます。
前半は大岡さんによるご講演
講演の様子は、配布資料をもとに動画をご覧ください。
※クリックするとPDFをご覧いただけます。
大岡さんにお話しいただいた内容を、私なりにまとめてみました。
・日本での死別経験者での遷延性悲嘆症の有病率は2.4%。年間で約14万人の患者が発生する可能性がある。
・悲嘆に苦しんでいる遺族に治療が十分に届いていない。
⇨遺族は自分がどこにつながるとよいのかわかりにくい現状がある。
後半は参加者が自由に語り合う時間
大岡さんの講演後は、少人数のグループになり参加者同士で感想や質問をお互いに話し合う時間です。
・大切な人を亡くした後に、どんなサポートがあったら良いと思いますか?
をテーマにお話いただきました。
会の終了後、参加者のみなさまから感想をいただきましたので、いくつかご紹介させていただきます。
・遷延性悲嘆という言葉を初めて知りました。必要な方にコンシェルジュがあればいいと思いました。多くの方が深刻な状態になられず助けられると思います。
・グリーフケアを学ぶ機会が少なく、どこで学ぶかもわからない中わかりやすいお話ありがとうございました。
・人の死は、脳裏に刻まれる大切な思い出と改めて気づきました。だからこそ、ケアが必要と思いました。
・今まで封じ込めていた思いを語れて皆さんの優しさと温かさいっぱいの時間となりました。初対面の方々なのにとても濃く深い時間を過ごすことができて感謝でいっぱいです。
・自由に話す時間は足りないぐらい充実していました!!
・グループの中で遺族の気持ちの受け皿が欲しいという意見が一致していたと思います。
・ブレイクアウトルームでの出逢いも貴重なものとなりました。
・遺族会の存在の浸透が必要。語り合うとっても心地よい時間を過ごせました。
・悲嘆について、深められる時間でした。今、生きている時から、しっかり関わっていく大切さ。グループワークでの「亡くなった方(ペット)に伝えたいこと」「どんなサポートがあったらいいか」の問いに、自分自身の根底にあった気持ちに気づけました。
次のような応援のメッセージも届いています。
・毎月複数回開催されていてご案内をいただき感謝しています。できる限り参加して今住む地域に還元したいと思います。いつもありがとうございます!
・東大阪プロジェクト様と繋がって約一年となりました。仕事から離れて2年。高齢の両親の介護をしながら専門職(医療・介護職)として取り残されているような落ち着かない日々の中、Facebookから東大阪プロジェクト様の活動を知り、学びと勇気を頂きました。
さらに悲嘆(グリーフ)のケア におけるお困りごとをたくさんお聞かせいただきました。
・自宅での看取りをした場合、遺族会のようなものがあるということを知り得ないのではないかと感じました。病院なら紹介してくれそうですが…。そういう情報を提供してあげられるシステムがあればいいのにと思いました。
など貴重なご意見をいただいたので、次回の「縁起でもない話をしよう会」では、これらのご質問にお答えできるような会にしたいと考えています。
「つなぐ」というよりもっと自然に顔が見えるような関係を築き、
お互いに気軽に相談できる 『誰もが主役の街』を目指して、
東大阪プロジェクトはこれからも講演会・研修会を定期的に開催していきます。
ぜひご参加ください。
【今週の東大阪プロジェクト】
東大阪プロジェクトの活動の一部をご紹介させていただきます
>ぜひご参加ください<<
【縁起でもない話をしよう会・第25回(参加費無料)】
今回の記事でご紹介した「縁起でもない話をしよう会」の次回開催(研修会)のご案内です。
「興味はあるけどまだ参加したことがない」という方、大歓迎です! ぜひ参加申込みください。
(先着90名となっています、お早めに!)
【申し込み】
https://88auto.biz/higashiosaka/registp/entryform29.htm
話題提供:
グリーフケアの困りごとをみんなで考える
〜横山先生に聞いてみたい10のこと〜
天使大学看護学科講師・グリーフを学ぶ会共同代表 横山聖美先生
フリートーク:
後半は、話題提供を受けての語り合いの時間。
5名程度のグループとなり、自由に縁起でもない話をしていただけます。
日時:令和5年4月24日(月) 18時から19時30分
場所:オンライン(Zoom)
定員:90名程度
参加費:無料
クリックすると拡大表示されます