前回のブログでは、大切な家族を亡くした後のご家族に対するケアをいかに行うか、お話しをさせていただきました。
今回は時計の針をもう少し戻して「私たちと患者さんやご家族が出会うタイミングをもっと早くできないか」というお話しです。
患者さんが私たちと出会うタイミング
私たち、かわべクリニックは在宅訪問診療を主としていますので、患者さんが私たちと出会うのは、かなり通院が難しくなってきた時点というのが平均的なタイミングです。
ただ通院が難しくなってもその後に残された時間というのは人それぞれで、しばらくお付き合いが続く方もいれば、本当にギリギリの状態での出会いとなる方もいます。
もちろん在宅訪問診療という制度を知ったうえで、あえてギリギリの状態での出会いを選んだのであれば、それは患者さんご本人とご家族の意思なので問題はありません。しかし問題なのは、この制度を知らず、結果的に私たちのクリニックとの出会いがギリギリになってしまった場合なんです。
この場合、多くの方が次のように話されます。
「在宅訪問診療という制度を知っていたらどれだけ楽に過ごせただろうか」
「病院の主治医、まちの主治医を併診できることも知らなかった」
こうしたお声を聴くと、開業して約8年が経過しても、まだまだ東大阪の地でさえもこの在宅訪問診療が知られていないと、率直に言えば落ち込む思いもします。
在宅訪問診療をもっと知ってもらいたい
「訪問診療とは何か」当院で作成した制度に関する説明動画です。ご覧になったことない方は、ぜひ一度見ていただけたらと思います。
私たち在宅医にどのくらいのことができるのか、もっともっと知ってもらいたい。
これは患者さん、家族さんだけの話ではありません。病院のソーシャルワーカーさん、地域連携室のスタッフの皆さんにも該当します。
ただ知っていただきたいけれど、自然と顔の見えるような関係を築きたい。
・街に医療が溶け込んだような感じ。
・わざわざ出向くのではなく、そこに自然にある感じ。
次なるプロジェクトがまちの保健室@東大阪プロジェクト
この「知っていただく」テーマの一環として、暮らしを支える皆さま(医療・介護・福祉に限定しない幅広い職種)が集い、トークカフェイベント、懇親会、意見交換など自由にお話しいただける『まちカフェ@東大阪プロジェクト』(開催レポートはこちら)が始動しています。
2023年度は、一般市民の皆さまを対象として動きます。その名も「まちの保健室@東大阪プロジェクト」です!
[su_quote style=”default” cite=”” url=”” class=””]○まちの保健室とは(大阪府看護協会ホームページより引用)
さまざまな不安や悩みを看護職に気軽に相談できる場所、それが「まちの保健室」です。
病院へ行くほどではないけれど、最近ちょっと気になることがある。学校や家庭のことで、ひとりで悩んでいることがある。家での療養生活のことでアドバイスがほしい、など。生徒の相談や癒しの場でもある学校の保健室のように、さまざまな不安や悩みを看護職に気軽に相談できる場所、それが「まちの保健室」です。
また、こころとからだの健康相談だけでなく、健康情報の提供や健康学習の支援、そしてコミュニケーションの場やネットワークづくりの場としてもご利用いただけます。専門的な知識をもった看護職が、あなたの身になって、適切なアドバイスや手助けを行います。
こどもからお年寄りまで、誰もがより健やかに生きるために、人と人がふれあい、より豊かな人生を楽しめるように。
[/su_quote]
こうした「まちの保健室」の姿は、東大阪プロジェクトの目指す「自然とそこにある医療」を体現できるのではないかと考えています。
東大阪のまちの保健室では、看護師だけでなく、医師・歯科医師、薬剤師、栄養士、司法書士、税理士、社会福祉士など、あらゆる暮らしを支える専門家たちと気軽に相談できる場所へ発展させていきます。
不安や悩みは身体のことだけではありません。住まいや財産、ペットや人間関係、ご自身な亡くなったあとへの心配などを多面的にサポートしたいと願っています。
スタートは今秋。開催に向けて、第一歩を踏み出しました。ぜひ楽しみにお待ちください。
【今週の東大阪プロジェクト】
東大阪プロジェクトの活動の一部をご紹介させていただきます
看護未来展2023にて特別講演、開催が迫ってきました
大阪府看護協会さまよりご依頼を受け特別講演の機会をいただきました。
なんと会場:国際会議ホールの定員は300名(感染対策のため180名に制限)です!
一般の方もたくさん参加される機会なので
「後悔を感じないためのACP(人生会議)の実践法」
について事例を用いて、わかりやすくお話しさせていただきます。
リアル開催のみですので、事前申込みをいただき、会場で温かいご声援を届けていただけたらとても心強いです!
【セミナー申し込み】
https://www.tvoe.co.jp/bmk/seminar/app/
(参加費無料)
SP-09
「自分らしい生き方とは」ともに考える人生会議
・元気なうちに「人生の最期」を考えるACP(人生会議)
(医)綾正会かわべクリニック 看護師 川邉 綾香
会場:インテックス大阪(大阪市住之江区南港北1-5-102)
日時:令和5年4月21日(金)15:00~16:30
定員:180名(事前来場登録制)
入場料:無料
主催:大阪府看護協会・大阪府訪問看護ステーション協会・テレビ大阪
対象:どなたさまでも
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