すでにメールマガジンやSNSでも報告の通り、日本死の臨床研究会 第31回近畿支部年次大会(主催:(一社)日本死の臨床研究会、後援:東大阪市、東大阪プロジェクト)の開催が迫ってきました。
2025年2月2日(日)、会場は東大阪市文化創造館小ホールです。
日本死の臨床研究会は、1977年に設立された団体です。生命を脅かす病気などに直面している人や家族に最適な援助を全人的立場より探求することを通して、人々が死を受け入れ自分らしい人生を全うすることへの貢献を目的としています。
人生の最終段階における医療的な視点だけではなく、宗教学的や社会学など様々な学問領域から構成され、全国規模で行う年次大会のほか、毎年2月には近畿支部でも年次大会を行っています。
おかげさまで、すでに多数の参加申し込みをいただいております。皆さんの積極的なご参加と、広報活動の賜物です。
ぜひお知り合いにも、本ページを読んでいただき、参加をすすめていただけたら嬉しいです。
参加を申し込む今回のテーマは「豊かに生ききる」
厚生労働省は、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体となった地域包括ケアシステムの構築を目指しています。実現のためには「支える人」と「支えられる人」の関係を越え、縦割り型ではなく、世代や分野に捉われず人と人、人と地域、人と資源がつながり合う地域づくりが大切です。
どんな状態が豊かだと言えるか、生きているとはどんな意味があるか、その答えや価値観は人それぞれです。そこで、医療・介護・福祉の従事者と一般市民の一人ひとりが分け隔てなくともに『豊かに生ききる』ことを考える機会を設けました。
今回、東大阪市にも後援いただいています
私たち、東大阪プロジェクトは「出会うことで人が動き出し、ともに未来を変える~穏やかなエンディングをみんなで~」をクレドとして掲げ、最期までその人らしい生活を送り、生ききってほしい、そのサポートを地域全体でしたいという決意を込めて活動を続けてきました。
患者さんの中には「もっと早く在宅医療の存在を知り、最期まで自分らしく生きられたのに」との想いをもつ方も多くいます。東大阪市が「豊かに生ききる」街となるべく、どのような最期を迎えたいかという希望を大切な人に伝える「人生会議」の普及にも力を入れています。
こうした地道な取り組みを、東大阪市からも評価いただき、後援団体に加わっていただいた次第です。
開催概要
日本死の臨床研究会・第31回近畿支部年次大会(大阪)
日時:2025年2月2日(日)10時〜16時
場所:東大阪市文化創造館小ホール
定員:200名(講演・ワークショップ)
◆大会長
川邉正和(医療法人綾正会かわべクリニック)
山本直美(社会医療法人若弘会若草第一病院)
◆基調講演(10:00-12:00)
『病の語りを聴く方法〜NBM〜』
ナラティブコミュニケーション研究所所長、なかがわ中之島クリニック院長 中川 晶先生
ナラティヴ・アプローチは、医療の世界ではまだあまり馴染みがないかもしれません。しかし、1988年にアメリカのA.クラインマンが著者「病いの語り」でナラティヴという言楽を使い「医療にこそナラティヴ・アプローチが必要だ」と述べています。
これまで、ナラティヴの理論や哲学的背景に関する研究は我が国でも多く紹介されてきましたが、実践についてはまだこれからの課題です。そこで今回は、講義とワークショップを通じて、ナラティヴ・ベイスド・メディスン(NBM)の美践方法をお伝えしたいと考えています。
◆ワークショップ(13:00~16:00)
『生と死を彩る言薬(ことぐすり)』
Clinical Dialogue Coaching®代表 大坂巌 先生
豊かに生ききることを支えるために、私たちができることは何でしょうか?死を前にした人が、モノトーンとして直視しがちな一生に彩りを与えることができるのは、私たちの言葉かもしれません。哲学者の池田晶子が語ったように、絶望の人を救うことができるのは医療でも宗数でもなく、言葉なのではないでしょうか。今回の講演が、言葉の大切さをみなさまとともに思い出す時間になれば幸いです。
講師の大坂先生から、開催に向けたメッセージも届いています! あわせてご覧ください。
◆参加対象
【基調講演】どなたさまでも(一般市民の方の参加歓迎)
【ワークショップ】医療・介護・福祉従事者を中心に一般市民の方も参加いただけます
◆参加費
会員2,000円、非会員3,000円
*直接会場でお支払いください。当日、入会でも会員価格で参加できます
大会長・川邉正和よりメッセージ
みなさんは、いつ、どこで、どのように死を迎えるか、考えた経験はありますか? 誰にでも等しく、いつか必ず訪れる瞬間。その最後の最後で「豊かに生ききることができた」と思えたら、幸せな人生だったといえるのではないでしょうか。
私たち、日本死の臨床研究会が考えるのは、この「豊かに生ききる」方法についてです。
「死の臨床」と聞くと、厳か、怖い、近寄りがたいといったイメージを持たれるかもしれません。しかし、この言葉には、医療の視点だけでなく、精神的な地域や社会とのつながりも含まれています。
死を目前にして、以前のように運動や家事ができなくても、言葉や物語を紡ぐことができる場合は多くあります。そんな人の大切な話を聞いたり、またはこちらから語りかけたりするには、家族や友人、地域に暮らすだれもが取り組めることです。
医療・介護・福祉関係者だけで輪を閉じずに、広くご参加いただき、豊かな人生がまわり中にあふれるような会にしたいと思います。ご参加をお待ちしています。