言葉が心に灯るとき 〜癒しと気づきの2月2日〜
「言葉が心を癒すとき 〜2月2日の学びと思い出〜」
「2月2日なんて、まだまだ先のこと」
そう思っていたのに、気づけばもう当日。
「日本死の臨床研究会 〜豊かに生ききる〜」の会場では、資料配布や午前後半の受付のお手伝いを担当しました。
「病いの語りを聴く方法 〜NBM〜」
中川晶先生の講演では、こんな問いかけがありました。
「自分の常識と他人の常識は同じだと思っていませんか?」
もちろん違うはず。でも、人と話していると、
つい「自分が良いと思うこと(常識)」を相手に伝えてしまうことがあります。
まずは、自分の価値観の良し悪しを一旦手放し、相手の話をしっかり聴くこと。
そうしたときに初めて、相手は本当の思いや考えを話してくれるのかもしれません。
「生と死を彩る言薬(ことぐすり)」
大坂巌先生のワークショップでは、こんな問いが投げかけられました。
「あなたにとって、言葉が薬になった経験を思い出してみましょう。」
私の心に浮かんだのは、患者さんの「ありがとう」という言葉と、その笑顔。
でも、講演後もずっと心に残っていたのは、
大坂先生が闘病中に『鬼滅の刃』の妓夫太郎の言葉「みっともねえな」に号泣されたというエピソードでした。
父の最後の言葉
その瞬間、6年前の父の言葉が蘇りました。
「ごめんな。困らせて。」
病院で他界する4日前、治療について「どうしたらいいと思う?」と尋ねられたときに、私の顔を見て言った言葉でした。
高齢になり、ここ十数年はずっと私に頼りっぱなしだった父。
でも本当は、頼りにしていたのは私の方だったのだと気づきました。
「お父さん、ありがとう。そして、ごめんね。」
言葉の力を大切に
人は人によって癒される。
そして、癒しのもとは「言薬(ことぐすり)」なのだと思います。
まずは自分自身を大切にすること。
そして、誰かにそっと「言薬」を届けられる人になりたい。
2月2日、この日を通じて、新しい出会いと再会に恵まれたことに、心から感謝しています。
薬剤師 藤尾香織さん