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エッセイ(第5回)・つながる前夜、ほどける心 山本直美さん

「ねるとん方式」で広がる、ケアの輪

前夜祭という、はじまりの場

2025年11月9日、「医療デザインサミット2025」の開催に先立ち、前夜祭が行われました。
会場には、医師、弁護士、建築関係、葬祭業など、実に多様な分野から実務者が全国各地から集結。
まさに“ケア”を広義で支える人々が一堂に会する、貴重な時間のはじまりでした。

この前夜祭には、私もスタッフの一人として関わらせていただきましたが、
「単なる前夜の集まり」ではなく、
翌日のサミットをより深いものにする“準備運動”のような時間になっていたように感じます。

“ねるとん方式”で、出会いが動き出す

会場はホテルのブッフェ形式。参加者はグループに分かれ、
一定時間ごとに医師が席を移動する「ねるとん方式」で、
次々と人と出会っていく仕組みでした
(ご存じですか?あの懐かしのスタイルです、笑)。

1グループに協賛企業の方3名、医師が3名ほど加わる編成で、おいしい食事をいただきながら、
それぞれが「自分がどんな想いでここにいるのか」を語り合いました。

2分間スピーチが、関係性を育てる

印象的だったのは、「2分間スピーチ」の時間。
これは、東大阪プロジェクトのメンバーが学んでいる「ストーリーテリング」の手法を用いたもので、
自分がどんな立場で、どんな想いを持ち、何を伝えたいのかを2分間でまとめて語るというものです。

初対面の相手にだらだら話しても伝わりづらい。
だからこそ、短く、でも心に届く言葉を選ぶ。
それがこの2分間スピーチのポイントでした。

「やってみせて」と言われた私は、鍛えられてきた(!?)経験を活かし、しっかりお手本を披露。
ほめていただけて、こっそり満足でした(笑)。

動きながら、つながっていく

参加者の皆さんも、最初は戸惑いながらも、気づけばどのテーブルも笑顔が広がり、
「初めて出会った人」から「あしたもよろしくね」と声を掛け合う間柄に。

協賛企業の方々は席を移動せず、医師がぐるぐると各テーブルを回るスタイルで、
名刺交換や会話が自然に生まれ、コミュニケーションがどんどん深まっていくのを感じました。

終盤には、どのテーブルも和やかな空気に包まれ、
「また明日ね」と笑顔で帰られる姿があちこちに。

「これは、前夜祭っていうより“出会いの場”だな」と、しみじみ実感しました。

不思議な一体感は、ここから始まっていた

そして迎えた翌日。
前夜祭で顔を合わせた方々とは、朝の「お疲れさまでした!」から会話がスタート。
会場にはすでに“一体感”のような空気が漂い、初めましての壁が、最初から存在しないような感覚すらありました。

この空気感が、その後のサミット全体をより温かく、親しみあるものにしてくれていたと思います。

前夜祭に参加して、本当によかった。
あのひとときが、私にとっても忘れられない、貴重な経験になりました。

看護師 山本 直美さん(東大阪市)

 

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