利他が循環する社会へ
コンパッションコミュニティ「おたがいさん家」まちびらきのご案内
東大阪プロジェクトのコアメンバーであり、
藍野大学 医療保健学部 看護学科で教鞭をとられている堀智子先生が、
地域住民と看護学生が“ごちゃまぜ”で創るコンパッションコミュニティ
「おたがいさん家(おたがいさんが)」
を立ち上げられます。
今回は、堀先生より届いたメッセージをご紹介します。
満員電車の中で出会った「利他」
ある日のことでした。
私はいつもより遅い出勤で、いつものJRに乗って仕事場へ向かっていました。
すると、大阪駅の手前の駅で、その先の沿線に遮断機のトラブルがあり、急に電車が停まってしまったのです。
電車もお金も血液も、循環してなんぼ。
電車再開後は、停車した駅から「待ってました」とばかりに、
どんどんと人が乗り込んできて、あっという間に押せ押せの満員電車が出来上がってしまいました。
B5サイズのスペースもないまま、電車に揺られるというのは苦痛なものです。
前から、横から、後ろから当たる鞄や靴の先っぽ、カールした髪の毛。
それらが当たるというのも苦痛なものです。
私も、周囲の人々も、みんないらいらしていました。
それでも、大阪駅を過ぎると、やっとスペースが徐々に空いてきました。
一駅ごとにそのスペースが広がっていくと、
私は、おばあちゃんと、その息子さんと思われるお二人が、
窓際で椅子のフレームが延長した棒を必死につかんで立っている姿に気づきました。
思わず私は、おばあちゃんに駆け寄り、席へ誘導しました。
普段は席なんぞあまり譲らない私ではありますが、その時はなぜか、そうしたかったのです。
そして、おばあちゃんが席に座って、にこっと微笑んでくれた時、
なんとも言えない安らぎと達成感が芽生えました。
「利他」は本当に存在するのか
ところで、最近私は「利他」ということに関心を持っています。
「利他」とは「自利」の反対で、人のための利益を優先することです。
この殺伐とした現代社会で、「利他」なるものは存在しているのか。
それは絶滅危惧種なのか。
そんなことを考えたりしています。
実際、動物社会では、
新しいボスがそれまでのボスの子どもを殺すという「子殺し」という現象があります。
諸説ありますが、自己の遺伝子を残すためと言われ、
そのことをRichard Dawkinsは『利己的な遺伝子』と呼びました。
この観点からすると、「利他」は理想郷なのでしょうか。
いいえ。
私は満員電車のあとで出会ったおばあちゃんに、「利他」が発動する自分を見たのです。
「利他」はありまーす!
「利他」が発動する条件
そこで私は、ある仮説を立てました。
「利他」はどんな条件で発動するのか。
電車の中のあの日のことを思い出すと、いくつかの条件が浮かんできました。
自分が安全であること。
自分に余裕があること。
そして、ともに戦った戦友という意識があること。
みなさんは、
新型コロナウイルス感染症の流行期に「利他」行動が多く見受けられたことを知っておられるでしょうか。
ステイホームやソーシャルディスタンスなどの生活様式の変容は、
自己の利便性よりも他者の利益を優先するための行動様式でした。
時に見ず知らずの他人であったとしても、ともに戦う隣人のための行動に「利他」が含まれるのです。
ごちゃまぜで創るコンパッションコミュニティ
これらのことから、私は小さな試みを始動することにしました。
私が所属する藍野大学の地域で、
学生たちと地域住民とが協働で“ごちゃまぜ”になって、
「利他」が発動するコンパッションコミュニティを創出できないか。
ちょっとしたわがままと、ちょっとしたおせっかいが融合するコミュニティができないか。
その会の名前は、
「おたがいさん家(おたがいさんが)」
と呼びます。
参加者の皆さんが、その時その時にできることを、できる時にやって、ケアが循環するコミュニティ。
「おたがいさん」と声をかけ合いながら過ごせるコミュニティ創りです。
ちなみに「おたがいさん家(が)」は、学び合う集団という意味の“Sangha”にもかけています。
7月11日、「まちびらき」を開催します
7月11日(土)には、まちびらきとして、
『人生のラストに「笑い」と「生きがい」を』をモットーに、
介護エンターテイナーとして全国を駆け巡る石田竜生さんをお呼びして、
楽しく交流ができればと思っています。
また、翌月からはシリアスゲームとして、
・コミュニティコーピング
・カイゴクエスト
・認知症世界の歩き方
・エンディングゲーム
などの体験会と交流会も計画しています。
ご興味・ご関心のある方は、ぜひご参加ください。
東大阪プロジェクトとして応援したいこと
東大阪プロジェクトでは、
コアメンバーそれぞれの地域での実践や挑戦も、
これから少しずつご紹介していきたいと考えています。
堀先生の「おたがいさん家」は、
学生と地域住民が出会い、学び合い、笑い合いながら、ケアが循環する地域をつくっていく取り組みです。
「出会うことで人が動き出し、ともに未来を変える」
その輪が、東大阪から、そして東大阪を越えて、さまざまな地域へ広がっていくことを願っています。
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おたがいさん家 まちびらき
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【申込フォーム】
https://x.gd/BOFpd
日時:2026年7月11日(土)14:00〜16:00
※13:30開場
場所:藍野大学 Ains-Lab
大阪府茨木市東太田4-5-4
参加費:無料
講師:石田竜生さん
介護エンターテイナー/作業療法士/ケアマネジャー/芸人
一般社団法人 介護エンターテイメント協会 代表
内容:
笑える講演+体操
ほっとする交流タイム
介護や福祉に興味がある方。
地域でつながりたい方。
学生・地域の交流に関心のある方。
笑いたい方。
元気になりたい方。
どなたでも大歓迎です。
皆さまのご参加をお待ちしております。
