昨日までの人生を卒業し、新しい一歩へ
一級葬儀ディレクターの山田貴弘です。
このたび「いのちのフィールドEXPO2025」で、納棺体験ブースをご案内させていただきました。
私が大切にしたかったのは、「ただの話題づくりや面白さのための体験」ではなく、東大阪プロジェクトならではの意味を持たせることでした。
想像力を超える“リアルな体験”を
プロジェクトに関わる中で、医療・福祉職、士業、葬祭業、そしてさまざまな専門職が共通して持つ課題に気づきました。
それは、
「縁起でもない」と避けられがちなテーマこそ大切で、必ず近未来に訪れる出来事だからこそ、事が起こる前に相談してほしい。
という思いです。
ACP(人生会議)や終活の必要性は理解されつつも、なかなか広がっていかない。
その理由はきっと――想像力が追いつかないからではないか。
だからこそ、圧倒的にリアルで、自分事として感じられる「納棺体験」が役立つのだと考えました。
卒業証書に込めた祈り
納棺体験では、参加者に「昨日までの人生を卒業し、今日からの人生をより良く歩んでほしい」
という祈りを込めて、卒業証書をお渡ししました。
この体験を通じて、これまであえて棚上げしてきた心の整理を行い、
自分自身や大切な人を思い、その気持ちを言葉にしてほしい。
そして、その先で大切な人とコミュニケーションを深めるきっかけになればと願っています。
さらに、もし将来さまざまな相談が必要になった時には、
顔の見えるプロジェクトの仲間とつながっていただけるように――。
そんな橋渡しの役割を果たしたいと考えていました。
胎内体験と納棺体験がつなぐ“いのちの円環”
準備の段階から力が入りすぎていたかもしれませんが、
ふたを開けてみると、他ブースのメンバーから多くの参加者をご案内いただき、
全体の親和性の高さを実感しました。
特に「胎内体験」と「納棺体験」が同じ会場で体験できたこと。
それは“はじまり”と“おわり”を単純に並べたものではなく、
いのちを丸ごと味わう体験となり、各ブースが互いに影響し合い、
ひとつの円環を描くような感覚がありました。
その瞬間、東大阪プロジェクトが描く「エンディングスタジアム」の未来の姿が浮かび、
胸の高鳴りが止まりませんでした。
感謝を込めて
盛況のうちにブースを終えられたのは、共に支えてくださったスタッフや仲間のおかげです。
この場をお借りして、心から感謝申し上げます。
今回の体験が、一人でも多くの方に「生きること」「死を迎えること」を考えるきっかけとなれば幸いです。
担当ブース:納棺体験
一級葬儀ディレクター 山田貴弘さん