縁起でもない話をしよう会

「縁起でもない話をしよう会・第25回東大阪プロジェクト」を開催しました

「縁起でもない話をしよう会」とは、医療や福祉に関わる方々と地元の人々が参加する、鹿児島にある妙行寺さんが発案された地域交流イベントです。

普段はあえて口には出さない「縁起でもない話」をみんなで語り合い、これからの人生をいかに生ききるかを考えるきっかけ作りの一つとして、東大阪プロジェクトでも継続的に開催しています。

第25回縁起でもない話をしよう会開催案内
クリックするとPDFをご覧いただけます

前回(第24回)に続きグリーフケアを学ぶ機会に

今回は、前回(第24回)の「悲嘆(グリーフ)とそのケアについて」アンケートでいただいた数々の悲嘆(グリーフ)に関するご質問にお答えする形で、

「グリーフケアの困りごとをみんなで考える~横山先生に聞いてみたい10のこと~」と題して、天使大学看護科講師の横山聖美先生にお話しいただきました。

前回の開催の様子は以下からご覧ください。

「縁起でもない話をしよう会・第24回東大阪プロジェクト」を開催しました

大切な方を失った後、家族や友人が悲嘆するのは自然なことです。ただし、悲しみが長引くと複雑性悲嘆(遷延性悲嘆症)の状態となります。残されたご家族に何が起こるのか、そしてケアする側はどのようにして対処するとよいのかを考えるのがグリーフケアです。

しかし「こんなとき、なんと伝えたら良いですか?」という質問に対し、数学のように公式を覚えて計算しても答えが見つかるものではありません

人の感情という、複雑で簡単ではない問題に直面したときこそ、私たちの価値観が揺さぶられるような感覚になります。
だからこそグリーフケアに携わる者同士、ご家族の心を少しでも安らかにしたいと願う者同士が一緒に頭を悩ませて、考えることが大切なのではないでしょうか。

第25回縁起でもない話をしよう会の集合写真
今回は、全国各地から58名もの皆さまにオンラインでご参加いただきました。いつもながら積極的なご参加、本当にありがとうございます。

前半は横山聖美先生による講演と質問への解説

グリーフケアの難しさ、それは条件がみんな違うことです。

「大切な人を亡くした」という体験をひとつとっても、一人ひとり違う体験だから対処方法も、遺族への適切な言葉も対応も違うのは当たり前のことなんです。

それでも私たちは、共通の法則を知りたいものです。

だから「こんなとき、どうしたらいいのだろうか?」と不安になるのも無理はないと思います。

横山先生は、グリーフ(悲しみ)をめぐる困りごとを立場で分けて解説してくれました。

1. 当事者の困りごと

1) 支援してくれる場所・窓口がない問題
病院・医療機関では亡くなられたあとは保険診療の対象外となるという構造によって、遺族に対するサポートが得られにくいのが実情です。

2) 自分自身のグリーフとの向き合い方問題
身内を心配させたくない、相手を困惑させたくないから「言えない」という事象は多くあります。

3) 周りの人の理解が得られない問題
「亡くなられた人のことを聞いてしまってごめんなさい」などと謝られるのが嫌で、徐々に話さなくなるというケースも見られます。

こうして当事者側は孤立せざるを得なくなってしまうのです。

2. 医療者・当事者に関わる人の困りごと

1) 関わりたいけど自分にスキルと時間が足りないと思っている問題
「何とか役に立ちたい」と思う医療・介護者ならではの特徴だと、横山先生は表現していました。私たちは、効果的な声掛けや正解、ハウツーを求めがちです。
そのため、自分の能力に今一つ自信が持てないまま自責の念にかられることさえあります。

2) 組織での対応や受け皿がないと思っている問題
グリーフケアの窓口、支援の仕組みやシステムを作るべきだという考え方です。

これらから共通して浮かび上がるのは、
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  • 「言えない」
  • 「聞けない」
  • 「仕組みがない」

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という課題であり、遺族の立場で考えると、
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  • 話すのは誰でもいいわけでない
  • いつも助けて欲しい訳じゃない
  • 困ったときに、聞いて欲しいだけ

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などの気持ちであると横山先生は解説してくれました。

講演の詳しい様子は、配布資料をもとに動画をご覧ください。

※クリックするとPDFが表示されます


講演内容のまとめ

横山先生にお話しいただいた内容を、私なりにまとめてみました。

遺族の話から考えたことは、身近な家族だからこそ言えないことがあり
だからこそ真剣に聞いてくれる第三者の存在が助けになるということです。

こうした遺族の方々に支援できることは、
まず悲しい時に悲しむことができる環境のお手伝いをすること、
そして、ケアを行っている人も成長できればいいのではないかと考えました。


スライドの内容はこちらから

後半は参加者が自由に語り合う時間

横山先生の講演後は、少人数のグループになり参加者同士で感想や質問をお互いに話し合う時間です。

自己紹介では、名前、どこから参加、お仕事について、
そして「自分が死んで葬式風景を見つめて笑顔になれるか?」についてまずは簡単にお話しいただきました。

その後、今回のテーマである
自分のお葬式はどんな風にしたいか?、誰に来て欲しいか、お墓をどうするか?など
について自由に話し合っていただきました。

会の終了後、参加者のみなさまから感想をいただきましたので、いくつかご紹介させていただきます。

<講義の感想>
・グリーフケアに絶対の形式は無く、個別対応の重要性を学びました
・ご遺族とお話をするとき、何か気の利いたことを言わなくてはいけないのではないかとプレッシャーに感じていたのですが、そばにいて「私はあなたのことを気に掛けているよ」ということが伝わるだけでもよいと知って気持ちが楽になりました。求めているサポートはご遺族それぞれで違うのですから、まずはご遺族のお話を聴かせていただくことから始めたいと思いました。・死が生き残ったものの成長材料になることに納得がいきました。そこを支える側にいたいと思いましたし自分が悲嘆にくれる側になったらそういう支え手が欲しいと思いました。

・「どんなに長けてる言葉よりも、誠実な態度のほうが勝る」心にしみました

<グループワークの感想>
・参加者の方がそれぞれの立場で一生懸命に考えていることが伝わり、とてもあたたかい会だとかんじました。
・フリーディスカッションは議論が活発で、刺激になりました。・非常に参考となりました。生で意見交換ができて、ありがたかったです。

・いつになくグループワークの参加の方が個性的で死生観というか死に向き合う向き方がいつもと違っていて、それが大変参考になりました。やはりさまざまな方々と話をすることは重要と思われます。

次のような応援のメッセージも届いています。

<感想>
・我が町で行っている「住まいと暮らしの保健室」でもワーキングが開催できたらと思っています。
・このような場が日本全国津々浦々に広がれば良いなあと思います。オンラインでは広い範囲の方々が集まるので広がりを作るのに良いかと思います。

さらに悲嘆(グリーフ)のケア におけるお困りごとをたくさんお聞かせいただきました。

・今日の先生のお話を伺い、改めて感じたのは、実際、「話す場」もそうであるが、「話せる関係性」作りも必要に感じた。それゆえ、オープンスタンスで場を作りながら、その場に向かう勇気?関係性をどう築き上げていくか。また、「在り」「続ける」こと、在ることで「前のめり」になりがちなことも気を付けなければと、感じました。
・病院の病棟看護師として、なかなかグリーフサポートできないことが悲しく思います。エンゼルケアのときに少しでも声かけをするなど心がけています。・大学病院とか、分業なのか、看護師がエンゼルケアに関わらず、業者にお願いする病院があり、看護師が死そのものに関わってこないということがあります。その看護師たちにどう、グリーフを教えていくのか、と考えてるところです。

など貴重なご意見をいただいたので、今後の「縁起でもない話をしよう会」では、これらのご質問にお答えできるような会にしたいと考えています。

「つなぐ」というよりもっと自然に顔が見えるような関係を築き、
お互いに気軽に相談できる 『誰もが主役の街』を目指して
東大阪プロジェクトはこれからも講演会・研修会を定期的に開催していきます。

まだご参加いただいたことのない方も大歓迎です、ぜひご参加ください。

 

【今週の東大阪プロジェクト】
東大阪プロジェクトの活動の一部をご紹介させていただきます

>ぜひご参加ください<<

【縁起でもない話をしよう会・第28回(参加費無料)】

アドバンスケアプランニング研修会のご案内です
ご興味をお持ちの方は、是非ご登録ください!

(先着90名となっています、お早めに!)

【申し込み】
https://88auto.biz/higashiosaka/registp/entryform31.htm

普段はあえて口に出さない「縁起でもない話」を語り合おう!という趣旨の会。

お気軽に申し込みください!

話題提供:

愛を育むセルフタッチング

~心身ともに癒され、自分らしさを取り戻す体験~

講師:看護師・社会福祉士・介護支援専門員 藤原知美さん

後半は、話題提供を受けての語り合いの時間。
5名程度のグループとなり、自由に縁起でもない話をしていただけます。

日時:令和5年6月22日(木) 18時から19時30分
場所:オンライン(Zoom)
定員:90名程度
参加費:無料

28回縁起でもない話をしよう会

クリックするとPDFが拡大表示されます

概要:
2005年にアロマインストラクターの資格を取得し、アロママッサージのボランティア活動を行っていました。看護師として勤務していた中で、触れることの質に興味を持ち、米国の心理学研究所でエサレン®️マッサージの資格を取得しました。エサレン®️マッサージは、「気づき」と「今ここに存在すること」に意識をあてるマッサージです。自分自身の心の傷や向き合い方に悩んでいた私は、エサレンの考え方を元にしているセルフタッチングに出会いました。触れることで、「幸せホルモン」として知られるオキシトシンが分泌されるため、触れることの持つすばらしさを多くの人に知ってもらい、癒す人がまず自分を癒すことが大切だと願っています。

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