まちカフェ

「心を動かし、健康を取り戻す〜心臓リハビリで新しい一歩〜」を開催しました

まちカフェは、暮らしを支える皆さま(医療・介護・福祉に限らず)が集うトークカフェイベントです。

医療や介護に関わる職種に制限することなく「地域に暮らす人々を支える」あらゆる職業の方が参加対象です。

まちカフェには懇親会もあり、意見交換、お悩み相談、名刺交換など自由にお話しいただけるのがポイント。

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第12回まちカフェでは、八尾はぁとふる病院 循環器専門医 石井英先生に話題提供していただきました。石井先生は、心臓リハビリテーション指導士としても活躍しています。

「心臓が悪いと運動してはいけない…?そんなことはありません!」

石井先生のような心臓リハビリテーション指導士は、運動プログラム、栄養や生活習慣の指導を通じて、心臓への負担を減らし、全体的な健康と生活の質を改善し、長期的な健康管理をサポートされています。


今回もスタッフを含め37名の方にご参加いただき、この「心臓リハビリ」についてじっくりと伺いました。

1. みなさん、体を動かしていますか?

厚生労働省が作成している「健康づくりのための身体活動・運動ガイド」には

成人は1日8,000歩以上、高齢者では1日6,000歩以上は歩きましょう、と推奨されています。大まかに計算すると、1,000歩=10分なので、高齢者でも1時間ぐらいは歩いたほうがよいということになります。

今はスマホで簡単に歩数が計測できるのでチェックしてみてください。

そのほかにも「週2回の筋トレ」「毎日40分の身体活動」「週3回の筋力、バランス、柔軟性などいろいろな運動」「座りっぱなしを避ける」なども呼びかけられています。

「いきなり筋トレと言われても」「そんなに歩けない」という方のお気持ちもわかります。そのような体力に自信のない方にも、「プラス10」が推奨されています。つまり今までより10分多く運動することを心がけてください。

2. 心臓病の患者さんでも体を動かすことが重要です!

よくある誤解として「心臓病のある方は安静しておいたほうがいい」というのがあります。これ、実は悪循環なんです。

たしかに心臓に負担がかかると「しんどい」「すぐ息切れする」「今度心不全になったら死んでしまうかもしれない」。だからみなさん、横になって安静にしています。危なくないように見えるのですが、確実に身体も心も弱っていきます。

動くのが怖いから動かないと、ますます動けなくなります。1か月家に閉じこもっていた人を散歩に連れ出したら…すぐに息があがってしまいますよね。

こうした状態を防ぐのが心臓リハビリテーションの基礎の考え方です。心臓病の方が安全に身体を動かせることというのが重要です。

3. 心臓リハビリテーションで安全に体を動かしましょう!

心臓リハビリは本来、運動だけではなく栄養指導や生活習慣の改善などを行いますが、今日は運動にのみ注目してお話をします。

大まかな流れは、次のとおりです。

  1. 問診・血圧測定
  2. ウォーミングアップ(5~10分)
  3. エルゴメーター(エアロバイク)による有酸素運動(20~30分)
  4. 筋トレ(15分)
  5. クールダウン

筋トレといってもダンベルなどは使いません。ゴムバンドや軽めのおもりを使う程度です。ウォーミングアップの中には、先ほど紹介した「週3回の筋力、バランス、柔軟性などいろいろな運動」の要素が含まれています。これをマルチコンポーネント運動(マルチコ運動)と言います。

週3回でもいいのですが、多くの方は週1で来ていただき、あとは普段の家での過ごし方などを理学療法士からアドバイスすることが多いです。

医療保険制度による心臓リハビリテーションの対象疾患は主に次のとおりです。

  • 心筋梗塞
  • 狭心症
  • 心臓手術後
  • 大血管疾患(大動脈解離、または その手術後)
  • 慢性心不全
  • 末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症 など)
  • 経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)後

循環器に関する病気は不整脈を除くとほぼ網羅されている、つまりほとんどが保険適用になっていると捉えてください。

4. 心臓リハビリテーションの効果って?

それでも、心臓を患った方、狭心症の方など、本当に運動しても大丈夫か?という声もあるかと思います。

下に掲載した動画では詳しく解説していますが、80代後半の心臓疾患で入退院を繰り返していた方の体力が回復したり、狭心症のある方には心肺運動負荷試験を経て安全な範囲での運動によって筋力を取り戻したりしています。

また多くの方が笑顔で帰って行かれることに、ほかの医療スタッフが驚いてもいます。ここでは、運動しながらほかのスタッフや患者さん同士でのコミュニケーションも生まれるので、生活に張りが出るという効果もあります。

最初はイヤイヤだった方が自ら進んで来院するようになり、奥さんがビックリしたという話もお聞きします。身体を動かし、言葉を交わす機会を作ることは大切ですね。

5. 心臓リハビリテーションの目指す好循環

心臓病の患者さんは、先ほども話したように「安静にしたくなる」。すると、健康と要支援状態の間にあたるフレイルになりやすいです。ここでうまくすれば健康に戻れますが、放っておいたら要支援になる確率が高いでしょう。

「外行くのはしんどいし、家にいても1人きりだからすることないねん。笑うこともないし、野球の話もできない」そういう患者さんが、もしここに来なかったら、最初にお話ししたような悪循環に陥ってしまうかもしれない。

でも、心臓リハビリテーションを受けていただくことで、身体機能の改善はもちろん、元気や明るさを取り戻して前向きな生活を取り戻していくお手伝いができると考えています。

まだ心臓リハビリテーションを提供する施設が少ないのですが、今日こうして重要性のお話をさせてもらいました。

もしみなさんの身近にもフレイル、要介護になりそうな方がいたら、私たちの病院でなくて構いませんので、心臓リハビリテーションを受けてみては?とお伝えいただけたらと思います。

6. まとめ

当院の心臓リハビリテーションは、安全に行えるのはもちろん、楽しい雰囲気作りに力を入れています。1時間があっという間に終わってしまうようなリハビリであればいいなと思っています。

患者さんが普段から安心して暮らせるように少しでもお役に立てればと思います。

百聞は一見に如かず、ぜひ見学だけでも大歓迎です! またご紹介も、お待ちしております。

お話しの詳細は動画をご覧ください。

懇親会でも新たな出会いが生まれています

石井先生のお話しのあとは、懇親会です。毎回、楽しみに参加してくださる方が多く、次々に新たな出会いが生まれています。

私たち東大阪プロジェクトのクレド(行動指針)では「出会うことで人が動き出し、ともに未来を変える。穏やかなエンディングをみんなで」を掲げていますが、この「人が動き出す」ことが新たな未来を生み出すことを実感しています。

毎回、このように輪が着実に広がっていくことを非常にうれしく思っています。

ご参加された方の感想を紹介します。

【感想】(一部抜粋)

・今回の話を高齢者や一般の方々にしっかり知って頂き、健康寿命を伸ばせるよう啓発して行きたいです。

・心疾患の診断をされたばかりの方の訪問リハビリに訪れる予定だったのでとてもタイムリーでした。在宅ではなかなか検査測定が難しいので、リスク管理や運動量の目安が分かり有り難かったです。

・心臓リハビリテーションという言葉は知っていましたが、通常の運動器リハ、脳卒中リハとの違いがよくわからなかったので、今回でクリアになりました。

・石井先生の話も期待以上でしたし、会に参加されている方々とお話しできてよかったから

・心臓リハビリテーションの興味深いお話をわかりやすくお話頂き、とても勉強になりました。また様々な職種の方々と直接お話することで、熱い思いを肌で感じられました。まちカフェ、本当に素晴らしい!と実感しました。

・自己の居場所を見つけた方の笑顔が目に浮かんできました。そんな素敵な場所なんだと思います。

・会に参加するごとに、確かに顔の見える関係になってきていること、またお初の方に会えるのも楽しいです。

・弁護士さんや葬儀場の方など普段接することが少ない方と名刺交換できました。

・パン最高!平日になかなか買いにいけないので、ありがたいです。

このほか以下のような建設的なご意見もいただいています。

・会場の広さが要因かも知れませんが、多くの方と名刺交換できる反面、周囲の方の話し声で相手の声が聞き取りにくい一面があったのが残念でした。
・駅から迷ってしまいました。方向音痴の私には徒歩圏内ではなかったです。
・交流会の時間がもう少し長ければなおうれしいなと感じました。一人あたりの名刺交換の時間を短めにしても、交換できなかった方がいてたので。

次回(第15回)のまちカフェは、2024年6月8日に「デイサービス・ゆめふる長田」にて開催します。
ぜひご参加ください!

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【今週の東大阪プロジェクト】

東大阪プロジェクトの活動の一部をご紹介させていただきます

>ぜひご参加ください<<

【お知らせ・まちカフェ・第14回(参加費有料)】

懇親会のご案内です。

リアルでも顔の見える関係を築きませんか?

共催:デイサービスゆめふる長田・訪問看護ステーションリール

参加を申し込む

暮らしを支える皆さま(医療・介護・福祉に限らず)が集うトークカフェイベントです。
懇親会もあり、意見交換、お悩み相談、名刺交換など自由にお話しいただけます。

話題提供:ダメダメ施設長が退職者ゼロの施設長へ〜施設で学んだ人間関係で1番大切なこと〜
ポジティブハッピーランド代表 (株)リープス顧問 森崎のりまさ さん

日時:令和6年6月8日(土)18:30~20:00(途中参加・退席可。お早めの来場をお願いいたします)
場所:デイサービスゆめふる長田 東大阪市長田東1-2-34(コインパーキングあり・有料)
   大阪メトロ・近鉄けいはんな線長田駅徒歩1分
定員:40名程度
対象:どなたさまでも(職種は問いません)
会費:2000円[コーヒー+スパイスカレー(ミニサイズ)]
   バターチキンカレー(カームスペース・週末のみ営業の名店)

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