まちカフェ

エンドオブライフ・ケア研修・ミニ学習会を開催しました

東大阪プロジェクトの人気企画「まちカフェ」は、地域で暮らす方たちの生活を支えるさまざまな職種の方々が集うトークカフェイベントです。

医療や介護に関わる職種だけでなく、とくに職種の制限は設けずに、地域を支える方ならだれもが参加できます。

「まちカフェ」では毎回懇親会も人気で、意見交換やお悩み相談、名刺交換など自由に活用していただいています。

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1年半の間に、回を重ねること第19回。本当に速いもので驚きです。

そんな「第19回 まちカフェ」では、エンドオブライフ・ケア研修を兼ねて、認定ファシリテーター川邉綾香さんに話題提供を行っていただきました。

聴く力を大切にしたい

エンドオブライフ・ケア研修は、東大阪プロジェクトやかわべクリニックの土台ともなっている重要な内容です。

コロナ禍の影響で長く集合形式での研修が困難だった影響から、約2年ぶりの対面した形での開催となりました。

参加者には医療者も、非医療者もいます。その仕事によっては、さまざまな苦しみに直面されている方々を日常的に目の当たりにされていると思います。その中で、私たち支援する側は、時に無力感や戸惑いをおぼえ「これでいいのだろうか」と不安を感じることも少なくありません。

そうした日々の悩みを少しでも和らげるため「聴く力〜反復・沈黙〜」というテーマで学ぶ機会を設けました。

人生の最終段階にある方々に対応することが多い私たち一人ひとりの自信につながることを願って、このワークショップを開催しました。

これまでエンドオブライフ・ケアをご存知ないけれど、ぜひ知っていただきたい方にも個別にお誘いした結果、今回はスタッフを含め、50名を超えるご参加をいただきました。本当に嬉しい限りです。

前半は、定番の石田竜生先生による体操!

前半の講師は、作業療法士、ケアマネジャーであり、芸人でもある石田竜生先生。

今回のお話は、「アレンジ力を高めよう! ネタにプラスワン」です。

たとえば、利用者さんと行う体操の「ネタ」は、YouTubeなどでいくらでも仕入れられます。そこに、何かプラスして、オリジナルな質の高いものにしようというのが石田先生の考えです。

・マルチタスクをプラス
・公式をプラス
・日常生活動作(ADL)をプラス

ちょっとした工夫で、体操を行う方の状況や症状にあわせてより効果的な、よりよいものができると解説されています。

詳しくは以下の動画(倍速再生で10分)をご覧いただけたらと思いますが、今回のキーワードは“季節感”です。高齢者にとって、季節の要素を加える意味とは何か? ぜひご確認ください。

苦しむ人へ関わるための“聴く力”

話題提供の後半は、川邉綾香先生による『苦しむ人へ関わるための“聴く力”~反復・沈黙~』 です。 

冒頭で聴く力があることは、信頼関係の源と、綾香先生は定義します。信頼関係が築かれていない人に、自分の人生の今後を委ねることは抵抗があるはずです。そもそも、本音でどこまで話していいかさえ分かりません。

聴く力があれば、心の距離を縮め、バリアを乗り越えることができます。

もし患者さんや利用者さんが、あなたに対して「早くお迎えに来てほしい。もう死んでしまいたい」といった嘆きや不安の言葉を投げかけるとしたら、それは心を許している、信頼の証だと捉えてください。

反復、沈黙、問いかけ

聴く力には、反復、沈黙、問いかけの3つの技法があります。

◆反復…相手の言葉を繰り返すことで、「わかってくれた」と感じてもらう
◆沈黙…相手が次に言おうとする時間を与える
◆問いかけ…「なぜそう思うのか」と尋ねて、相手の本音をさらに引き出す

これらの技法を組み合わせることで、苦しんでいる人の気持ちに寄り添うことができます。

苦しみとは、「希望と現実の開き」である

苦しみの正体が分かれば、相手への理解が深まります。

たとえば、「食べたいけど食べられない」という状況では、「食べたい」という希望と、「食べられない」という現実に開きがあり、そこから苦しみが生じます。苦しみの内容や深さは人それぞれ異なるため、私たちの価値観で判断していては理解は進みません。そうではなく、相手の立場に立って理解する必要があります。

実践の様子も含めて、詳しく知りたい方は、お話しの全編を以下で視聴いただけますので、ぜひご覧ください。


出会いを大切にする懇親会

私たち東大阪プロジェクトは、毎回、懇親会もセットで開催しています。これを楽しみに参加してくださる方も非常に多いのです。それはこの懇親会をきっかけに、次々と新たな出会いが生まれているからに他なりません。

私たち、東大阪プロジェクトのクレド(行動指針)では「出会うことで人が動き出し、ともに未来を変える。穏やかなエンディングをみんなで」を掲げていますが、この「人が動き出す」ことが新たな未来を生み出すことを実感しています。

懇親会は、第一歩の前にあるほんの些細なきっかけに過ぎませんが、毎回このように輪が着実に広がっていくことをうれしく思っています。

今回もあっという間にお開きの時間を迎えました! いつももっと時間が欲しいなと、私たち主催者も感じています。

最後に会の感想を紹介しつつ、ご参加いただいた方の顔を思い浮かべたいと思います。

<感想>

石田さんのレクの方法は、飽きないように新しいものを探すのではなく、元々あるものでしかも利用者さんの興味や意欲にそって付加させていく、画期的で活かせる方法で誰にとってもいい方法でした!

カレーも美味しかったです! 今日は綾香さんのお話を生で聞くことができて嬉しかったです。

積極的な傾聴、とても大切だと改めて感じました。

沈黙にも意味がありその次の言葉を待つということ、反復すること、これだけでも相手は心が楽になるのですね。

自分の価値観で、励まそうとしたり慰めることではなく、ひたすらに寄り添う事が大切なのだと、本当に勉強になりました。

聴くことの大切さはわかっているつもりでしたが、反復することに深い深刻な感情がこもると、わかっていても言いにくく、厳しく感じました。貴重な体験を踏まえたお話でした。ありがとうございました。

理論だけではなく現場実践を踏まえた内容は説得力がある。

『知る契機を提供しただけで、一緒に学び続けましょう』という上から目線でなく『共に』というメッセージが伝わった。

日常業務における自身の言動の振り返りができ、即業務に取り入れることができる内容だった。

川邉先生の聴く力のお話は、私も講師しながらもトレーニングし続けているところで、対患者さんの具体的な事例や練習をさせてもらえてとても学びになりました!

聴く力の講義の内容が素晴らしかった。

小澤先生に始まり何度も聴かせて頂いていますが、経験から聴かせて頂きとても解りやすく話して頂き感謝です。

話し方もわかりやすく、非常に濃い内容で具体的に実践できる内容でした。

初参加で緊張しておりましたが肩ひじ張らずに参加できる雰囲気で良かったです。

寄せていただいたすべての感想を受けとめて、今後も一緒に学べる機会を作っていきたいと思います。

次回は、節目の第20回! 2024年11月14日に長瀬さくらテラス団地にて開催します。

ぜひ、ご参加ください!

【今週の東大阪プロジェクト】

東大阪プロジェクトの活動の一部をご紹介させていただきます
>>ぜひご参加ください<<

>>クリックすると拡大表示されます。

「え〜なぁEIWA EXPO」を開催します!

2024年10月26日(土)13時から17時、河内永和駅前広場にて(雨天中止) 入場無料です。

<主なイベント>
14時~15時…いのちの授業
15時30分~16時30分…縁起でもない話をしよう会

そのほかにも…
・高齢者疑似体験…擬似体験装具を装備して、日常生活動作を擬似的に体験します!

・入棺体験!…実際のお棺に入り横たわってみる体験ができます。

・キックターゲット…FC大阪(J3)のプロ選手と一緒に写真撮影しよう!

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