率直に言って、とても良い時間でした。
それと同時に「ここからが本番だな」と奮い立つような気持ちになっています。
2026年4月18日、東大阪プロジェクト2026の決起集会を開催しました。年度はじめのお忙しい中、全国から86名の方にご参加いただきました。本当にありがとうございます。


こうして画面を見ると、すごい迫力です。みなさん、画面の前で両腕をクロスさせて、隣の人としっかり手を握っているイメージを表しています。
そんな今年の東大阪プロジェクトに向けた思いを、かわべクリニック院長の川邉正和がお伝えします。
「決して1人ではできませんでした」
開会にあたって、私から少し話をさせてもらいました。
8年前に出会ったある患者さんが「自分に何かあったとき、この子をどうすればいいか…」と、大切な愛犬の様子を心配していました。私は医療や介護のことには関われる自信は持っているつもりです。しかし、ペットのことは専門外で、その想いに応えきることができませんでした。あのままだったら、今でも心残りだったことでしょう。
しかし、直後に司法書士の福村雄一先生と出会い、一緒に考え、動いたことで、その方の愛犬を引き取ってくれる方を見つけることができました。このとき初めて、1人でできることは限られているけれど、仲間となら実現できるのだと、はっきり実感しました。
この小さい出来事かもしれないけれど、私にとって大きく感情が動いた瞬間こそ、東大阪プロジェクトの原点です。
現場の中で、「こうしたい」と思いながらも、一人ではどうにもできなかった経験。あのとき「もう少し何かできたんじゃないか」と感じた経験、みなさんも一度や二度は抱えているのではないでしょうか。その想いこそが、このプロジェクトの出発点だと私は思っています。
カッコいい100の理想論より、実践する1つのこと
今年も基調講演は、株式会社DAIALEC代表である辰巳和正さんにお願いしました。辰巳さんは組織風土改革のコンサルタントとして長年活動されており、東大阪プロジェクトの企画段階から力を貸してくださっています。
辰巳さんのご厚意で、講演資料は自由に閲覧またはダウンロードできるようになっていますので、ぜひご覧ください。
講演の中で特に印象に残ったのが、タイトルにもなっているこの言葉。
「カッコいい100の理想論より、実践する1つのこと」
理想を語るだけでは何も変わらない。たった1つでもいいから行動に移すこと、それを積み重ねてきたからこそ今の東大阪プロジェクトがある。もう、私たちがやってきたこと、そのものなんです。
辰巳さんの講演では、「豊かに生ききる」とはどういうことか、丁寧に整理していただきました。
「本当はどうありたいか」を深く自分で考え、自らに問いていること。そして、その「ありたい」を現実の中で実現するための手段を持ち、挑戦できていること。この2つが重なるところに、豊かさがあるという考え方です。
シンプルな内容ですが、改めて認識することで、自分たちが大切にしている価値観、そして目指しているものの輪郭がくっきりするような感覚になりました。
ネットワークが必要な理由
そして、「なぜ東大阪プロジェクトのようなネットワークが必要なのか」。
この問いにも、空間軸・時間軸の両面から説明していただきました。単体のクリニックの周りに、仲間が集まったとしても、地域全体から見ればその影響力はごくわずかです。だからこそ、同じ想いを持った人たちがつながる場が必要になると、辰巳さんは説明してくれました。つながりが大きくなればなるほど、できることが広がっていくという考え方です。

東大阪プロジェクトの足跡を、客観的に外から見てきた方の言葉だからこそ、参加者の皆さんにとっても大きな気づきになったのではないかと思います。
ここまで辰巳さんのお話しは、YouTubeにアップしていますのでぜひご覧ください▼
グループワークで生まれたつながり
講演の後は、「豊かに生ききるとはどういうことか」「日々感じている違和感や課題」をテーマに、グループワークを行いました。
ここで、参加者のアンケートの中に、繰り返し出てきた言葉を紹介したいと思います。
それは「立ち止まって考える時間がなかった」という言葉。日々忙しく過ごしていると、こうした本質的な問いと向き合う機会が少ないのは仕方ありません。なおさら、意図的にこのような時間を作ることが大切であり、同時にその効果を知ることになりました。
一方、「誰かの話を聞くことで、前に進む力が湧いてくる」という声も多く寄せられました。医師、看護師、ケアマネジャー、司法書士、僧侶、葬儀社、コンサルタントといった、普段の仕事や暮らしでは交わりにくい職種の人たちが、「豊かに生ききる」という一つのテーマを囲んで話す時間は、参加者それぞれの中で何かを動かしていたのだと思います。
こんな素敵な感想もありました。
「人前で話すのが苦手なのに、自分の好きなことを聞かれると興奮してバンバン話をしている私がいた。本音で語っている自分に出会えたことに、自分自身が一番驚いています。」
これを読んで、私はとても嬉しくなりました。このような意図してつくった場でしか起きないことだと言えそうです。
東大阪プロジェクトはパワースポット!?
アンケートの結果を見ると、「また参加したい」という回答がほぼ100%でした。「居場所」「パワースポット」という言葉が、複数の方から出てきました。
「東大阪プロジェクトは、私のパワースポットです。」 「寒い冬にお風呂に入って体の芯まで温まる場所というイメージです。」 「自分を生ききる道が見えた気がします。」
今回の講演、研修も単なる学びの機会ではなく、人の生き方が変わる場になっているとさえ、感じています。
2026年のテーマは「Action」
今年度の東大阪プロジェクトのテーマは、「Action」です。
社会を動かす行動は、4つのCから生まれるとされています。
- ・Connection(つながり)
- ・Contest(意味づけ)
- ・Commitment(関わる覚悟)
- ・Catapult(行動)
これはいつも私たちが参考にしている「Community Organizing(コミュニケーション・オーガナイジング)」の基礎となる考え方。
人と人がつながり、関係性が生まれ、まちが動き出す。その起点となるのが、行動です。
行動を促すために、今年は5人程度の小さなチーム単位で動いていただきます。約3ヶ月、同じメンバーで関わり続けることで、安心して話せる、本音で語れる、学び合える、そんな関係性を育てていきたいためです。
府内ではすでに「泉北プロジェクト」が立ち上がり、動き始めました。このように東大阪から始まった動きが、狭い地域で留まることなく確実に広がっているのも、嬉しい成長だと捉えています。
参加できなかった皆さんへ
このプロジェクトは、いつでも戻ってこられる場所です。動画を見る、次回参加する、小さく関わる、それで十分です。大切なのは、つながり続けることです。
東大阪プロジェクトのクレドを、改めてここに記しておきます。
「出会うことで人が動き出し、ともに未来を変える。穏やかなエンディングをみんなで。」
医療・介護・地域・法律・ビジネスなど、異なる強みを持つ仲間が交わるとき、まちは動き出すと信じて。2026年も、一緒に動いていきましょう。
次に動くのは、あなたです。そして、いつも一人ではありません。