「もし余命3ヶ月なら、誰に何を伝えますか?」
こんにちは、くらっちこと蔵屋憲治です。
2026年6月27日、帝塚山学院大学 泉ヶ丘キャンパスで開催された、関西ネットワークシステム(KNS)の第86回定例会で、私はこのテーマでお話しさせていただきました。
KNSは、大学、行政、企業、学生など、産学官民の多彩なメンバーがフラットな関係で交流する場。この日も5会場で60組が登壇し、農業、デザイン、IT、観光、まちづくり……本当にさまざまなテーマが並びました。
そのなかで、東大阪プロジェクトと「さいごの授業 Part2」について、私が発表しました。医療者ではなく、写真家です。だからこそ、お伝えできることがあると思っています。
当日お伝えした、3つのこと
当日お話ししたのは、この3つです。
- ・「もし余命3ヶ月なら、誰に何を伝えますか?」という問い
- ・「さいごの授業」は、死を語る会ではなく、生き方を考える会であること
- ・東大阪プロジェクトが大切にしている「出会うことで人が動き出し、共に未来を変える」という想い
転機となった母のこと
もともと私は、人に喜んでもらうことが大好きです。
写真を見て笑顔になっていただいたり、「ありがとう」と言っていただける瞬間が、この仕事を続けてきた一番の喜びでした。

そして、実は、私の母は認知症で、今は施設に通っています。
でも、最初から「認知症なんだ」と受け入れられたわけではありませんでした。
「これって年齢のせいなのかな?」
「本当に認知症なの?」
「まだ施設にお願いするほどじゃないんじゃないか。」
家族みんなが、そんな思いでした。
父は「自分が面倒を見る」と言っていましたし、家族で何度も話し合いました。
でも、何が正解なのか分からない。
誰に相談すればいいのかも分からない。
介護も医療も、私たち家族にとっては初めての経験で、本当に分からないことだらけでした。
だからこそ、東大阪プロジェクトで医師や看護師、介護職、地域の皆さんが、それぞれの立場を超えて一人の人を支えている姿を見たとき、
「こういう人たちがいるから、みんな安心できるんだ。」
と感じました。
そして、「出会うことで人が動き出し、共に未来を変える」というクレドにも深く共感しました。
私は医療者ではありません。
でも、写真には人の想いや活動を伝え、人と人をつなぐ力があります。
東大阪プロジェクトのコアメンバーの皆さんも、いつも撮影した写真を喜んでくれるので、それも私にとって活動を続ける大きな励みになっています。
だから私は、この活動を「応援」するのではなく、自分事として関わっています。
肩書きより先に、「その人」と出会う場所
この日会場には、大学教員、行政、経営者、学生、記者まで、本当にいろいろな立場の方がいらっしゃいました。
名刺交換のあとに始まるのは、会社や肩書きの話ではなく、「あなたは何をしたい人なのか」という話でした。これは面白い発見でした。
医療や介護の関係者だけが集まる場では、ないからこそだからこそ、「もし余命3ヶ月なら、誰に何を伝えますか?」という問いが、まっすぐに一人ひとりの”自分ごと”として受け止めていただけたのだと思います。
お話のあとに生まれた “Action”
今回、一番印象に残ったのは、登壇そのものではありません。
そのあとに生まれた”Action”です。
行政の方からは、
「役所としても何かできることがあるかもしれません。一度お話を聞かせてください。」
というお声をいただきました。
新聞記者の方からは、
「ぜひ取材させてください。」
というご連絡もいただきました。
さらに参加者の方からは、
「弟が金沢で終末期がん患者さんの心のケアに携わっています。何かお力になれたら。」
というお話までいただき、新しいご縁も生まれました。
私がお伝えした、
「出会うことで人が動き出し、共に未来を変える。」
その言葉を、この日、改めて実感することになりました。

一つの発信が次のActionへ
「さいごの授業」と名前を聞くと、死について語る機会と感じる方もいるかもしれません。しかし実は、「生き方について考える時間」だと思っています。
だからこそ、医療だけでなく、行政、企業、教育、地域など、さまざまな立場の方が関わる意味があります。
一つの発信が、新しい出会いを生み、その出会いがまた次のActionにつながっていくことを、今回の登壇を通して改めて実感しました。
来年3月7日に開催する「さいごの授業 Part2」が、さらに多くの出会いとActionが生まれる場になるよう、これからも写真を通して、この活動に関わっていきたいと思います。