こんにちは。東大阪プロジェクトが主催する「縁起でもない話をしよう会」の司会担当、ヒロさんこと田中博です。
この「縁起でもない話をしよう会」とは、鹿児島にある妙行寺さんが発案された地域交流イベントで、普段はあえて口には出さない「縁起でもない話」をみんなで語り合うものです。
これからの人生をいかに生ききるかを考えるきっかけ作りの一つとして、東大阪プロジェクトでも定期的開催し、医療や福祉に関わる方々が中心に参加しています。
褒めて伸ばす、ペアレントトレーニング
今回の話題提供は、ペアレントトレーニングです。福島県立医科大学の佐藤利憲先生に「~子どもと私たちの笑顔を増やす~ペアレントトレーニング(以下PT)」と題して、行動学的な仕組みを活用した褒めるを重点に話題提供いただきました。
子育てや仕事での対人関係において、以前よりもハラスメントが注目されやすくなっています。子育てでは、子どもへの言葉が暴言と受け止められると児童虐待と言われ、職場ではパワハラになります。声のかけ方や指摘の仕方など、対応を誤ると社会問題化されてしまいます。
こうしたハラスメントの防止という観点からも、最近では「ほめて伸ばす」というワードをよく聞くようになりました。佐藤先生には「ほめる」について、行動学的な仕組みから重点的にお話ししていただきました。佐藤先生は、精神科看護師として10年の臨床経験があり、発達障害児支援、グリーフサポートにも取り組まれてきた方です。
ペアレントトレーニング(PT)とは
2005 年の発達障害者支援法施行によって、発達障害の早期支援が重要視されるようになりました。PTは治療としてだけでなく、親が発達障害のある子どもへの適切な対応技術(行動的な手法)を習得するためのトレーニングです。現在は、一般的な子育て支援、教育現場、企業教育、企業での社員教育としても応用可能なプログラムとして注目されています。
いつ褒める?どう褒める?
PTの中でも最も重要な柱が「ほめる」こと。で、増やしたい行動に着目(ほめる・注目する・相手をする・関心を持つ)することや、努力している行動のプロセスを「ほめる」ことが大切です。
そもそもなぜ、ほめるか。それは、ある行動のあとに「ほめられた」というプラスの変化が起こると、人間の行動が増えると言われているからです。
逆に、マイナスの変化とは何かといえば、周りからなんの反応も得られないことなんです。それを経て、周囲がしてほしくないマイナスの行動も減っていくという原理です。したがって、良くない行動に対して、その場で咎めるのではなく「待つ」というプロセスが大切になるというお話をしてくださいました。
さらに、褒め方の具体的なテクニックとして、ニコやかな表情、目を見ながらのゆっくりとした対応、タイミングの重要性などが強調されました。
グループワークではステキな笑顔がたくさん!
佐藤先生からの話題提供後には、少人数でのグループワークを行いました。
「今日あなたは、誰をどんなふうにほめましたか?」
「あなたは、小さい頃、大人にどんなふうに関わって欲しかったですか?」
「これから大人として関わりたいと思いましたか?」などをテーマにしたディスカッションです。
グループワーク後の全体の振り返りでは、多くの参加者が素敵な笑顔となっていたことがとても印象深く感じました。
お話しの全編は、以下から視聴できます。ぜひ視聴後は、佐藤先生に「ほめる」フィードバックをいただけたら幸いです。
佐藤先生のご厚意により、発表用の資料もご提供いただいています。以下からご覧ください。
参考までに厚労省の「発達障害者支援施策の概要」、「ペアレントトレーニング実践ガイドブック」、「ペアレントトレーニング支援者マニュアル」のリンク先を紹介しますので、興味のある方は参考にしてください。
厚生労働省「発達障害者支援施策の概要」
厚生労働省「ペアレントトレーニング実践ガイドブック」
厚生労働省「ペアレントトレーニング支援者マニュアル」
【お知らせ】
【日本死の臨床研究会・第31回近畿支部年次大会(大阪)】
日時:2025年2月2日(日)10時〜16時(9時45分より入室可)
場所:東大阪市文化創造館小ホール 現地200名(講演・ワークショップ)
対象:どなたさまでも(地域制限はありません)
参加費:会員2,000円、非会員3,000円(直接会場でお支払いください、当日の入会でも会員価格で参加が適用されます)
今回の大会では、午前は「聴く」、午後は「言薬(ことぐすり)」をテーマとしており、これまでの診療やケアのスタイル、人生観に新たな視点をもたらす機会になると確信しております。
午前のみ、午後のみの参加も可能ですので、ぜひお気軽にご参加ください。
【申し込み】
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