東大阪プロジェクトが主催する人気企画「まちカフェ」。地域で暮らす方々の生活を支えるさまざまな職種の方々が集まり、知識や経験を共有する貴重な場となっています。
第22回となる今回は、『令和に誕生!口腔機能低下症!』をテーマに、訪問歯科衛生士の清水えつな先生にお話いただきました。スタッフを含め45名もの方々にご参加いただき、会場は熱気に包まれていました。
オープニングは「ダブルタスク体操」で大盛り上がり!
まず最初に登場したのは、介護エンターテイナーこと作業療法士の石田竜生先生。普段はおばあちゃんの格好で活動している姿がもうお馴染みですが、今回は特別に「スーパータツバー」に変身!会場からの大きな掛け声によるカウントダウンで、みるみるうちに変身を遂げていました。
石田先生からは「ダブルタスク体操」として、「2つのことを同時にする」ことの重要性を教えていただきました。年を重ねると2つのことを同時にする能力が低下し、それが転倒などのリスクを高めるというのです。
「歩きながら話す」
「歩きながら避ける」
「歩きながらカバンを支える」
こうした複数の動作で転倒しないように、同時にこなす能力を鍛えることが重要。そこで、右手と左手で異なる動きをする体操や、足踏みしながら目で丸いものを探すなど、参加者全員で様々な「ダブルタスク体操」に挑戦しました。
「笑っていたら足が止まる!」「意外と難しい!」と会場は大盛り上がり。さらに各テーブルでオリジナルのダブルタスク体操を考案する時間が設けられ、
・手を閉じる時は足を開く
・目を閉じる時は目を動かす
…といった独創的な体操が誕生しました。

自分たちで考えた体操を発表し合うことで、さらに会場は一体感に包まれました。
【石田先生の体操動画はこちら】
スーパータツバーへの変身シーンやダブルタスク体操の実践動画をぜひご覧ください。会場の笑い声と熱気が伝わってくる素敵な映像になっています。「なぜ2つのことを同時にする体操が大切なのか」という解説も必見です。
石田先生は、ただ体操をするだけでなく、体操のねらいや意味を理解してもらうことで、より効果的なリハビリや予防につながるともおっしゃっていました。
「口腔機能低下症」について学ぶ
後半は清水えつな先生による口腔機能低下症についてのお話。令和になって新たに定義されたこの症状について、分かりやすく解説していただきました。
清水先生は訪問専門の歯科衛生士として活動されており、「生きる力は置く力」という理念のもと、在宅での口腔ケアに携わっておられます。
口腔機能低下症とは、年齢だけでなく疾患や障害などの要因が重なり、「オーラルフレイル」(口の機能低下)が進行した状態を指します。65歳以上の高齢者では約40%もの方がこの症状を抱えているという驚きの事実も。
口腔機能低下症の主な症状:
- 口の中が汚れている
- 口が乾燥している
- 舌の運動低下
- 滑舌の悪化
- 飲み込み機能の低下
特に歯を失う原因として、虫歯よりも歯周病が多いことや、歯がなくても口腔ケアが必要なことなど、多くの方が「知らなかった!」と驚く内容ばかりでした。
「生きる力は、お口から!」
「生きる力は、お口から」という理念のもと活動される清水先生の情熱あふれる講演を動画でもご覧いただけます。口腔機能低下症の具体的な症状や、ベロの色・コケから分かる健康状態など、日常生活ですぐに役立つ知識が満載です。ご自身やご家族の健康管理にぜひお役立てください!
清水先生は「歯がなくても口腔ケアは必要」と強調。歯だけでなく、舌や頬の内側、喉などにも細菌がいるため、たとえ自身の歯がなくても、ガーゼで拭うだけでも口腔環境は大きく改善するそうです。
また、舌の状態を見ることで体の健康状態がわかるというお話も興味深く、参加者は熱心にメモを取っていました。
多職種連携の実例も紹介
清水先生からは、嚥下サポートを行うチーム「EATs」として多職種で連携した取り組みについても紹介がありました。歯科衛生士、看護師、言語聴覚士、作業療法士など様々な専門職が協力して嚥下機能検査を行い、「食べることを諦めない」という理念のもと、精力的に活動されています。
懇親会も大盛況
講演後の懇親会では、弁護士、行政書士、医師、歯科医師など様々な専門職の方々が一堂に会し、熱心な意見交換が行われました。
「もっと早く知りたかった!」「これ、地域の人にも届けたい!」という声が多く聞かれ、参加者の満足度の高さがうかがえました。


次回は、5月8日(木)18時30分から、長瀬さくらテラスにて。
皆さんの参加をお待ちしています!
次回・まちカフェ(第23回)の参加者募集中
【医療・介護×ナーシングセラピー】
「明日から現場で使える“癒しの手技” ― ナーシングセラピー×フットケア」(参加費有料)
共催:地域包括支援センターくつろぎ・訪問看護ステーションリール
✨ 参加を申し込む ✨まちカフェは、暮らしを支える皆さま(医療・介護・福祉に限らず)が集うトークカフェイベント。
懇親会もあり、意見交換、お悩み相談、名刺交換など自由にお話しいただけます。
話題提供:
明日から現場で使える“癒しの手技” ― ナーシングセラピー×フットケア
ハナナーシングセラピー代表 山口晴美 先生
@hananursing2007
【概要】
地域で活躍する看護師・セラピストの山口晴美さん(ハナナーシングセラピー代表)による、ナーシングセラピーとフットケアの実践紹介。
“触れるケア”の癒しと信頼の力を、現場で活かせるヒントとともにわかりやすくお届けします。
【医療・介護×ナーシングセラピー】明日から現場で使える“癒しの手技” ― ナーシングセラピー×フットケア
日時:令和7年5月8日(木)18:30~20:00(途中参加退席可)
場所:OPH長瀬さくらテラス団地 東大阪市近江堂3-1-6(コインパーキング・有料) 近鉄大阪線長瀬駅徒歩12
定員:30名程度
対象:どなたさまでも(職種は問いません)
会費:1000円(コーヒー+お土産(生食パン1斤付き)
・生食パン天空(Café & Bakery Ciel〜しえる〜)
@ciel_cafe_bakery
当日、不参加となる場合は
前々日(5月6日17時)までに下記にご連絡ください。
higashiosaka-pj@kawabe.clinic (東大阪プロジェクト事務局)