講演・研修会

地域連携・皮膚ケア講演会を開催しました


毎年、開催している東大阪プロジェクト発の「地域連携・皮膚ケア講演会」を今回も、オンラインとリアル開催のハイブリッド方式で開催できました。

講師の皆様、ご参加いただいた皆様、共催・協力という形でご協力いただいたマルホ株式会社様に厚くお礼を申し上げます。

全国各地からオンラインで75名、現地参加が36名、総勢111名のご参加をいただきました。

地域連携皮膚ケア講演会

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第1部 「帯状疱疹の治療戦略」

第一部の演者は、聖隷三方ヶ原病院皮膚科の白濱茂穂先生です。

鯉のウイルスは人への感染力はないという意味を込めて「恋というウイルスには罹るが、コイヘルペスには罹らない」というユニークなメッセージで講演が始まりました。

感染する仕組み

近年、増回している帯状疱疹の原因は、水痘・帯状疱疹ウイルス (VZV) です。この感染のメカニズムをお話しいただくとともに、神経痛、発疹など主な症状に関して解説していただきました。

治療の目標と戦略

帯状疱疹は、早期発見・早期治療することで、症状の緩和、持続期間を短縮するのに役立ちます。また、重症化や合併症のリスクも軽減できます。

そのための抗ウイルス薬(アメナメビルなど)の使用とタイミング、神経痛治療のアプローチといった視点からお話しをしていただきました。

ワクチン接種の役割

次に帯状疱疹ワクチンの有効性や対象者についての解説です。ワクチン接種も、帯状疱疹の発症および重症化の予防に有効です。

合併症とその管理

合併症としてよく知られる帯状疱疹後神経痛(PHN)などの説明、そして治療法を説明していただきました。

高齢者や免疫力が低下している人は、合併症となる可能性が高いため、その予防が重要です。

第2部 「大切な人に自分の思いを伝えることでつながる願い」

第2部の演者は、司法書士の福村雄一先生(司法書士法人福村事務所)と看護師の川邉綾香さん(かわべクリニック)。東大阪プロジェクトの象徴ともいえるテーマで「大切な人に自分の思いを伝えることでつながる願い 〜医業と士業のつながり〜」と題して、お話ししました。

この発表の中に登場する「Aさん」。実は以前にもご紹介したことのある方なんです。
なぜ同じ方のお話しをするのかといえば、私たち医療者が看取りをさせていただいた後の物語があるから。
そう、福村先生がつないでくれた物語があるからなんです。

60代後半で末期がんだったAさんは、同じがんで一人息子を看取ってから4年、愛犬と一緒に暮らしていました。自身の倦怠感に悩まされ、医療機関を受診したときにはすでにがんは末期で、積極的な治療を希望せずに穏やかな最期を自宅で迎えたいと考えます。

そこで支援を依頼したのが、かわべクリニックでした。4年前、息子さんのお看取りにもかかわらせていただいて以来のご縁が、こうしてご本人の最期のタイミングとなりました。

課題となったのは、残される愛犬の未来について。「遠くに住む姉は、犬のアレルギーがあるから迷惑をかけたくない」とAさんは、おっしゃいます。しかし、もうAさんに残された時間は1週間程度ではないかという状況でした。

そこで私たちが頼ったのは、司法書士の福村先生です。急きょ遺言書を作成し、愛犬が動物愛護団体に保護される手筈を整えてくださったのです。

しかし、このように文章にするほど単純な話ではありません。福村先生の目線から見た苦労話も、以下の動画で全編を紹介しています。ぜひご覧ください。

東大阪プロジェクトを立ち上げたきっかけでもある、法律職が地域包括ケアシステムの中に自然と溶け込んでいる社会を目指して。その小さな一例をご紹介することで、皆さんの日常業務を助けるとともに、皆さんの人生を豊かにする一助となれば嬉しいです。

講演で使用した資料も自由にダウンロードいただけます。よかったらお手元にどうぞ。

第3部 懇親会・情報交換会

講演会後の懇親会・情報交換会にも多くの方が参加してくださいました。

当日のアンケートから寄せられた声も一部ご紹介したいと思います。

<アンケート結果>
・帯状疱疹について問い合わせがたくさんあり、大変勉強になりました。またACPについて、医療者以外の視点はとても大切で、本当の意味でのACPだと感じました。

・最近の帯状疱疹の治療についての理解が深まりました。また、司法書士さんとの連携の必要性も必要と感じましたが通常は、看護師の立場からはケアマネを通してのアプローチになるのかなと想像しました。貴重な講演ありがとうございました。

・普段聞くことができないことがたくさん学べました。帯状疱疹の対応を詳しく知ることができました。人生会議は医療者の業務ではない、患者さんのためのものだということが事例を通じて具体的に理解できました。

・他職種の方との連携がとれるとてもいい機会の場がもてることだけでなく、それぞれの役割がよく理解できる場で良かった。

・講演会に参加することで、背筋が伸びる気持ちになり日々の業務へのモチベーションが上がります。感謝です。

・参加するたびに、皆様の熱い思いが伝わり、私も頑張らないと、という思いを与えられます。高齢化、一人暮らし、認知症…と支援には医療だけでは対処しきれないことが多々あり、自宅への退院を断念せざるを得ないケースが増えています。安全のために自宅ではなく施設へお送りする時、無力だと感じてしまいます。福村先生のようなお働きをしてくださる方がいたらいいのに…と思います。

この先も「東大阪プロジェクト」は、「人とまちと医療の心地よい関係」をつくり、誰もが安心して自分らしく生ききる社会を実現するべく、医療介護職に限定せず、多くの職種が地域の輪に加わって連携する姿を目指していきます。

【今週の東大阪プロジェクト】

東大阪プロジェクトの活動の一部をご紹介させていただきます

【縁起でもない話をしよう会・第38回(参加費無料)】
アドバンスケアプランニング研修会のご案内です
ご興味をお持ちの方は、是非ご登録ください!

【申し込み】

参加を申し込む

普段はあえて口に出さない「縁起でもない話」を語り合おう!という趣旨の会。
お気軽に申し込みください!

話題提供:
おむつは自立支援の福祉用具 
・おむつの種類や選び方などの基本的な内容
・少しマニアックなおむつの情報紹介

講師:おむつ宅配便 代表 / 理学療法士
八木大志 先生

後半は、話題提供を受けての語り合いの時間。
5名程度のグループとなり、自由に縁起でもない話をしていただけます。 

日時:令和6年10月29日(火)18:30~20:00
定員:90名程度
対象:どなたさまでも(地域制限はありません)

オンラインかつ無料で、どなたでもお気軽に参加いただけます!
ただし定員に達すると締め切りますので、どうぞお早めに参加申し込みをお済ませください。

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